バセドウ病になって2年あまり、今は薬で症状が落ち着いています。
しかしながら、バセドウ病の初期の頃はひどかった…。
何がひどかったのかというと、カラダ全体に原因不明の不調が続いていたから。
なんか疲れる。イライラする。息が上がる。食べても食べてもお腹が空いて、1日に何回もおトイレで大をする。
でも最初は、バセドウ病の「バ」の字も知らず、「出産したからホルモンバランス崩れたのかな?歳だなぁ。」ぐらいにしか思っていませんでした。
今思えば、すべて典型的なバセドウ病の初期症状です。
ということで、わたし自身が「バセドウ病」と診断される前に経験した体の不調と、バセドウ病の初期症状についてまとめます。
もくじ
産後6ヶ月で体重の減少が始まる。たった3ヶ月で25キロ減

もともとやせ型でなかったわたしは、長女の妊娠で体重が18キロも増加。
「産後は授乳で痩せる」というという神話を信じて完全母乳育児を行なっていたものの、まったくと言っていいほど体重が減りませんでした。
体重が70キロを超えて絶望の中、産後6ヶ月ぐらいから突然体重の減少が始まります。突然の体重の現象が始まってから、たった3ヶ月程度で25キロも体重が減りました。
妊娠中に18キロ増えたところでの体重減少が25キロですので、妊娠前から考えれば実際は7キロほど減った計算になります。
でも人は、体重が10キロ近く変動すると、見た目は別人。
このころの正直な話、友人に「痩せてキレイになったんじゃない?」なんて言われてウハウハでした。
バセドウ病になると体重が減るのは典型的な初期症状です。
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンの分泌が盛んになって、代謝がものすごく上がってしまう病気。なので、運動していないのに、身体は常に全力疾走状態。体重が減るのは女性にはうれしいですが、カラダに負荷がかかりまくっています。
食べても食べても太らない。トイレの回数が異常に増える
身体はどんどん痩せていくいっぽうで、お食事はというと1日中食べまくっていました。通常の2倍の量は食べてましたね。
ごはんのおかわり、おやつはあたりまえ!
今思えば、夢のような生活ですが、当時は必死。食べても食べてもお腹が空くし、喉も乾く…。水分は、毎日2リットルぐらいは余裕で飲める。
食べれば、お腹の中で消化するので、トイレにも行きたくなります。食べる、トイレに行くの繰り返し。水分もたくさん摂っていたので、おしっこもよく行きました。もはや、トイレとおともだち。
バセドウ病の初期症状がで始めた産後6ヶ月というと、長女も生後6ヶ月ごろ。いちばん授乳量が増えるころなので、「おっぱいを出すために水分と食事が必要なんだ!」と信じて疑わない自分がいました。
食欲増進もバセドウ病の初期症状として典型的
甲状腺ホルモンの過剰分泌でカラダの代謝があがる病気なので、消化も早い。だから食べても食べてもすぐ消化しちゃって、お腹が空く。消化するから、トイレに行く…っていう悪事循環。
カラダに力が入らない。心臓がバクバクして、息が切れる

カラダの変化で気になったのは、筋力の低下。
うちのアパートは2階建て、わが家は2階。出かけるたびに、外階段の上り下りがあるのですが、これがキツイ。
足が上がらない、足を引っ掛けてつまずく。
子育て中なので、片手には子どもを抱っこし、もう片手には荷物。だけど、子どもを抱っこする腕がプルプル震え、とてもじゃないけど両手に荷物を持って階段を上がるなんて無理でした。
しかも、階段をのぼりおりするだけで、「ゼィゼィ、ハーハー」状態。息がものすごく切れます。
動悸もすごくて、ドキドキ音が身体中に響きわたり、「心臓が口から出そうになる」という表現の意味がよくわかりました。
手が震えて、字がうまく書けない。(今思えば)
手が震える。指先がピクピク動く。
筋力の低下、動悸・息切れと同時に、手が震えました。と言っても、当時の自分は「手が震えている」なんて1ミリも思っていませんでしたが。
なんで手が震えていたのがわかるエピソードは2つ。
- 字が下手になった
- ネイルサロンで、「力がものすごく入ってますよ!」と指摘された
手が震えているんですから、字はうまく書けません。あと、親戚の結婚式の参列のために出かけたネイルサロンで、「もうちょっと力抜いてください!」となんども言われました。今思えば、力を入れていないと、手が震えちゃったからですね…。
筋力の低下、動悸息切れ、手の震えもバセドウ病の初期症状としては典型的
なんてったって、カラダが常に全力疾走状態のバセドウ病。消耗が激しすぎて、常に疲れています。
ただ、すべてにおいて「産後のカラダの変化だろう」と片付けてしまっていましたが。
異常に汗が出る、そして常に暑い

長女は1月生まれ。1歳になる頃は、寒いさむい冬を迎えていました。
普通なら、ダウンジャケットを着こんで、マフラーをして、手袋をして…なんて服装があたりまえ。
でもわたしは冬でも、家の中でもTシャツ1枚で過ごしてたよ!
外に出かけて、お店に入ると暖房がガンガン。それはもう暑くてあつくて…。冬なのに、1人薄着、汗がだらだらという状況は、今思えば異常です。
うちの母はこのとき、「うちの娘、若くして更年期障害になってしまったのかしら」と本気で心配していたようです。
バセドウ病は「更年期障害」の症状によく似ている
よく女性が更年期になると、汗が出たりしてカラダがほてったりするようですが、まさにそんな感じ。バセドウ病の場合は、代謝がめっちゃあがることによって起こります。
全身が「謎のかゆみ」に襲われる。皮膚科に行くも原因不明

産後6ヶ月ごろから、夜寝るときになると身体がかゆくて、一晩中かきむしっていたこともありました。
湿疹などが出ている感じではなく、なんだか内部がかゆい感じ。背中がいちばん痒かったですが、足とか腕も痒かったです。
かゆくて眠れない日もあったので皮膚科に行きましたが、「突発性のじんましんでは?」と言われ、じんましんの塗り薬をもらいました。湿疹もないので、ろくに診察してもらえず。
かゆくても湿疹がないと「じんましん」にされることが多い
うちの娘でもそうでしたが、湿疹やかゆみが原因不明だと「じんましん」ですね!と言われて塗り薬をもらうパターンが多い。それもそのはず、「じんましんの7割は原因不明」なんですって。
もし処方された薬が効かなかった場合、じんましんではないかもしれないので、違うお医者さんに相談してみましょう。
喉が詰まっている感じ。よく”むせて咳き込む”ように

水を飲んだりごはんを食べたりしているときに、よくむせていました。飲み込もうとすると、なんか変なところに入っちゃう感じです。
だからと言って、風邪をひいているわけでもないし、喉が痛いという感覚もありません。
だけど、とにかくよくむせるし、大きい声が出せなくなりました。歌手の絢香さんが歌手活動を休止しておられましたが、バセドウ病の症状がひどくなると、声も出ないし息切れもすごいので、歌なんて歌えるような感じじゃないです。
バセドウ病になると喉(甲状腺)が腫れる!
よくむせてしまっていた原因は、甲状腺の腫れによるもの。こちらの記事の写真を見てもらえばわかりますが、蝶ネクタイ型に首が腫れています。知らない人が見れば気づかないかもしれませんが、甲状腺の腫れは典型的なバセドウ病の初期症状のひとつです。

他にもバセドウ病には”こんな初期症状”が出る可能性が…
- 微熱が続く
- 眼球が飛び出たようになる(眼球突出)
- 手足のしびれ
- 頻脈
こんな感じ。眼球突出や甲状腺の腫れなどの外見からわかる症状以外は、バセドウ病だと気づきにくいものばかり。
ここに挙げた以外にも、産後の不調とまちがえそうなマイナートラブルも頻発していました。
バセドウ病の初期症状が「バセドウ病だ!」とわかりにくいことには、なんとなくのカラダの不調で片付けられるものが多いことにあります。
だけど、バセドウ病はけっしてめずらしい病気ではありません。特に20代後半から30代の女性に多いとされているものの、もっと早い年齢で発症する方もいますし、男性でもかかる病気です。
でも、ちゃんと治療すれば命を落とすこともないし、完治しなくても妊娠・出産は問題ないし大丈夫ですよ!
できるだけ、早く「バセドウ病」と診断されて治療開始すれば、カラダの負担もずっとラクになります。
